知ってるようで 知らなかった

あれもこれもそれも

アニメーション/『MURDER!』

28歳の時に、「アニメーション三人の会」(久里洋二、柳原良平、真鍋博)に委託され、短編アニメ映画『MURDER!(マーダー/殺人)』を制作しました。翌年、第19回毎日映画コンクール大藤信郎賞を受賞。
「一つの殺人事件を、さまざまな探偵が解決するというアイデアを立て、シャーロック・ホームズのように手がかりを集めるタイプ、安楽椅子型の私立探偵、歩き回る刑事といったように描き分けて、アニメーションを作りました。」(『時間旅行』より)

アニメーション『MURDER!』1964 多摩美術大学アートアーカイブセンター蔵

雑誌表紙/『週刊文春』

雑誌『週刊文春』の和田さんが担当した最初の表紙。以降、約2000点もの表紙を生み出す。デザイン、ロゴも担当。編集部からの依頼は「何でもいいけど、しいて言えば都会のメルヘンかな」ということでした。
「ちょっと漫画っぽいもの、例えば電車の吊革にぶら下がったサラリーマンが空中を飛んでいるみたいなものをふっと思いついたんだけど、でもそんなのを毎号描いても息切れすると思って。で、今までにぼくが発表してない全く新しいスタイルで描いてみようと思ったんです。グワッシュを使って、かなり描き込んだ、リアルなタッチで描こう、自分の中で新しいものが生まれるかもしれないから、と思って始めたの。」(『時間旅行』より)

雑誌表紙『週刊文春』1977

学生時代/「夜のマルグリット」

多摩美術大学3年生の時に、日宣美賞を受賞した作品です。B1パネルにポスターカラーで描かれたもの。日宣美というのは日本宣伝美術会の略で、年に一度開催される日宣美展は新人デザイナーの登竜門のようなものでした。まだ大学生だった和田さんの受賞は一躍注目の的になりました。「日宣美賞をもらったことは、ぼくの進路に大いに影響しています。あの時は多摩美の三年生でしたが、すぐにテレビコマーシャルの仕事を依頼されて、早い時期にプロの道に踏み込むことができましたから。」(『時間旅行』より)

「夜のマルグリット」ポスター 1957 多摩美術大学アートアーカイヴセンター蔵